2023年度活動報告 

機関誌
本協議会機関誌『部落解放と大学教育』第35号の編集を進めました。また、編集体制の移行に向けて協議を進めました。

総会
2023年7月16日の午前10時から、龍谷大学大阪梅田キャンパスにて、役員・常任委員・事務局合同会議を開催し、総会の重要案件について協議しました。引き続き午前11時から第40回総会を開催し、石元清英会長(関西大学名誉教授)の挨拶で開会しました。司会は廣岡浄進さん(大阪公立大学)で、議長に髙田一宏さん(大阪大学)を推薦し、会場の拍手で承認されました。初めに2023年度活動報告案を廣岡浄進さんが提案し、質疑の上で承認されました。会計報告を加藤昌彦さん(関西外国語大学名誉教授)から、会計監査報告は石川結加さん(大阪芸術大学)から、おこない、それぞれ承認されました。ついで 2023 年度活動方針、役員体制を廣岡浄進さんが提案し、討議を経て、それぞれ承認されました。

春季企画公開シンポジウム「人権と副専攻カリキュラム〜新しい人権教育・同和教育の展開〜」

7月16日(日)午後1時半~5時で、龍谷大学大阪梅田キャンパスで開催し、いちはやく人権問題・人権教育に関する副専攻をたちあげた大阪公立大学(大阪市立大学)と大阪教育大学の副専攻プログラムを紹介するとともに、今後の大学における人権教育・同和教育のあり方について議論しました。平知宏さん(大阪公立大学)には、大阪市立大学大学教育研究センターで副専攻プログラムの導入に関わった経験からの報告をいただきました。また廣岡浄進さんには、人権問題研究センターが提供する形で2021年度に大阪市立大学で発足し、大阪公立大学で継続しているHR(人権)副専攻について話していただき、齋藤直子さん(大阪教育大学)には、大阪教育大学の同和教育推進校実習生組合の取り組みを大学として継承する『ダイバーシティと人権副専攻プログラム』を紹介していただきました。司会は妻木進吾さん(龍谷大学)でした。   


  (春季シンポジウムの様子)

秋季企画「田川・筑豊の被差別部落の歴史と部落解放運動」
COVID-19感染拡大前に企画されながら延期が続いていたいましたが、今年度実現できました。

  • 公開シンポジウム
    11月3日(金・祝)13:30〜17:30で、福岡県立大学の大講義室で公開シンポジウムを開催し、寺木伸明さん(本会副会長・桃山学院大学名誉教授)「筑前・豊前の前近代の部落史――関西の部落史と比較しながら」、森山沾一さん(前福岡県人権研究所理事長・福岡県立大学名誉教授)「田川・筑豊の近代部落史・部落解放史――石炭産業とのかかわり・水平運動の展開を中心として」、原伸一さん(部落解放同盟福岡県連合会副委員長)「田川・筑豊の戦後の部落解放運動――鉱害闘争・行政闘争から今日まで」、河西千津美さん(部落解放同盟福岡県連田川地区協議会女性部)「田川・筑豊における識字・保育運動の歩み――自分の体験的活動を中心に」の4報告を、ハヤシザキ・カズヒコさん(福岡教育大学)の司会で、持ちました。
  • フィールドワーク
    11月4日(土)9:00に田川伊田駅に集合して、田川市石炭・歴史博物館、韓国人慰霊碑、中国人慰霊碑、法光寺境内の朝鮮人慰霊碑、浄福寺をめぐりました。

    受け入れ側の森山沾一さん、ハヤシザキ・カズヒコさん、堤圭一郎さん、田川市人権センターの堀内忠さん、田川市教育委員会の鍋山公  一さんの各氏に、お世話になりました。また歓迎の挨拶をいただいた組坂繁之さん(部落解放同盟福岡県連合会委員長・IMADR共同代表)、新谷恭明さん(公益社団法人福岡県人権研究所理事長・九州大学名誉教授)にも、ここで改めて感謝申し上げます。なお、ハヤシザキさんが研究代表者の科研費研究「同和教育とは何だったのかーー貧困や差別に抗する教師の肖像」(研究課題番号23K02213)との共催となったことを申し添えます。


    (シンポジウムの様子)                (フィールドワークの様子 法光寺)

     (参加者で記念撮影)

    大阪人権博物館(リバティおおさか)の存続支援
    存続をめざして、当会はサポーター団体会員に参加しています。また、裁判を支える会の共同代表に当会会長の石元清英さんが就任しています。
    (同館は 2020 年 6月19日に大阪地裁で大阪市との和解を成立させて現在地からの退去となり、移転再開をめざして同年6月末に閉館しました。所蔵資料寄贈について大阪公立大学と協議中ですが、そのための寄附をひろく募っています。)