本会の概要

全国大学同和教育研究協議会(略称:全国大学同教)は1983年7月10日に発足した大学関係者による組織です。大学における同和教育・人権教育の実践、研究を推し進めるために40大学75名が参加して設立されました。初代会長は大阪市立大学学長の木村英一、つづいて沖浦和光(桃山学院大学学長)、門田秀夫(関西外国語大学教授)、石元清英(関西大学名誉教授)が歴任しています。
部落問題を中心に、さまざまな人権問題をその研究対象としています。全国の大学の同和教育・人権教育担当者の交流の場となっており、その推進のために内外の人々や団体と協力提携を進めています。
毎年、春秋の公開シンポジウムやフィールドワークを実施しています。また、年によってはインドのカースト制度研究のための現地研修旅行などをおこなっています。
現在は大阪市立大学人権問題研究センターに事務局を置いています。機関誌として『部落解放と大学教育』を毎年発行しています。

設立の趣旨

本会は、1983年7月10日、大阪市上六の大阪府教育会館(当時)で結成されました。
その趣旨について、当日採択された「結成趣意書」には、次のように述べられています。

「日本における部落問題・同和教育の研究と実践はますます拡大し深化するとともに、その社会的意義と本質はいよいよ明らかとなり、重大性を帯びるに至った。 平和と人権の確立が、人類の生存と発展のためには欠くことのできない原理であり、日本の民主主義にとって部落問題の克服が避けることのできない課題となっているからである。(中略)ひるがえって大学における同和教育の現状を見るとき、余りにもその歩みの遅々たる状況を否定することはできない。千に達する大学において、同和教育に関する研究機関は微々たるものであり、専任の教員は十指に満たない状況にある。しかも大学における差別事象は頻発し、大学の差別的体質は牢固として動かないのである。それは同和問題の研究や教育を学問として認めず、それらは己の果たすべき課題であることを拒否する。依然として観念的アカデミズムの中にとどまり、権威主義の殻にとじこもっているからである。同和教育に関する実践や研究の制度的、人的、組織的保障と拡充は、今日の日本の平和と人権と科学の民主主義的創造と発展のために、全国の大学にとって必須の課題となり、大学自身のみならず、全国民的必要事となっているのである。
このような今日的な状況と今年が人権と教育にとって記念すべき年に鑑み(注:世界人権宣言採択35周年・全国同和教育研究協議会結成30周年のことをさす)、全国の大学、学生、社会人、その個人と団体が、大学における同和教育の実践と教育のために結集し、全国大学同和教育研究協議会を結成することは緊急の課題であり、かつ極めて有意義であると考える。それはさらに社会発展、平和と人権確立をめざす学問・教育・文化の創造に寄与するものとなるであろう。」

本会の役員・事務局体制(2024年度)

会          ⻑
⽯元清英
(関⻄⼤学名誉教授)
副 会 ⻑
國井哲義
(千⾥⾦蘭⼤学名誉教授)
⼋⽊晃介
(花園⼤学名誉教授)
会          計
内⽥⿓史
(関⻄⼤学)
会計監査
⽯川結加
(⼤阪芸術⼤学)
常任委員
川上隆志
(専修⼤学)
髙⽥⼀宏
(⼤阪⼤学)
ハヤシザキカズヒコ
(福岡教育⼤学)
松村豊⼤
(徳島⽂理⼤学)
森  実
(⼤阪教育⼤学名誉教授)
事務局⻑
廣岡浄進
(⼤阪公立⼤学)         
事務局次⻑
齋藤直⼦
(大阪教育大学)
事務局員
岩槻知也
(京都⼥⼦⼤学)
瀬⼾徐映⾥奈
(近畿⼤学)
妻⽊進吾
(⿓⾕⼤学)
中内康博
(元⾼知⼤学講師)
中島智枝⼦
(元帝塚⼭⼤学講師)
宮前千雅⼦
(関⻄⼤学人権問題研究室委嘱研究員)
李嘉永
(近畿⼤学)
顧問
寺⽊伸明
(桃⼭学院⼤学名誉教授)
加藤昌彦
(関⻄外国語⼤学名誉教授)